006. CVCF(交流無停電電源装置)とは

CVCFとは、UPSの一種で、商用交流電源が停電や電圧変動が発生した場合に、蓄電池や発電機から安定した電力を供給する装置です。

CVCFは「Constant Voltage Constant Frequency(定電圧定周波数)」の略で、直訳すると「絶え間ない電圧、絶え間ない周波数」を意味します。入力変動や出力負荷の変化に関係なく、出力の電圧および周波数を一定に保つことができます。

CVCFは、変電所や交通機関の制御システム、ビルの非常照明設備、水処理施設、工場の受変電設備など、停電が許されない設備のバックアップ電源として使用されています。

CVCFと家庭用蓄電池の違いは、蓄電容量や接続先によって確保できる電力の時間です。家庭用蓄電池は数時間~数日程度の電力を貯められますが、CVCFやUPSで貯められる電力は数分~数10分程度です。

医療現場では、様々な医療機器が使用されていますが、これらの機器は安定した電源供給が不可欠です。電圧や周波数が変動すると、医療機器の誤作動や故障の原因となる可能性があります。CVCFは、このような電源の不安定さを解消し、医療機器に安定した電力を供給する役割を果たします。

CVCFのメリット

電圧や周波数の変動による医療機器の誤作動や故障を防ぎ、安定した医療を提供できます。またノイズや歪みの少ない高品質な電力を供給することで、医療機器の性能を最大限に引き出します。そして落雷や停電時など、不測の事態においても、医療機器への電力供給を維持することができます。

非常用発電機とCVCFの関係

停電が発生し、非常用発電機が起動すると、CVCFは安定した電力を医療機器に供給し、医療行為を継続できます。非常用発電機は広範囲の電力を長時間供給できますが、電力の品質までは保証しません。CVCFは電力の品質を保証しますが、バックアップ時間は限られています。両者を組み合わせることで、停電時でも高品質な電力を安定的に供給できる体制を構築できます。

上記の通り、医療施設において、非常用発電機とCVCFは必須の設備です。しかし、この設備を用意するためには、工事費用などの導入コストや法令・許認可の順守、運用コストが非常に高価であることは一目瞭然です。

そこで、CVCFを医療機器用蓄電池レムリア、非常用発電機をポータブル発電機として代用すれば、安価で安定した電力を医療機器に供給し続けることが可能です。