ファンレス
全ての電子機器は、内部の電子部品(CPU、GPU、電源回路など)に電流が流れる際に、電気抵抗によって熱が発生します。特に、高性能な部品ほど発熱量が大きくなる傾向があります。この熱を適切に排出しないと、部品の温度が上昇し、以下のような問題が発生します。
- 【性能低下】 部品の温度が高くなると、動作速度が低下したり、誤動作が発生したりする可能性があります。
- 【寿命の短縮】 高温に長時間さらされると、部品の劣化が早まり、寿命が短くなります。
- 【故障】 最悪の場合、部品が破損し、機器が故障してしまう可能性があります。
そのため、従来の電子機器では、ファン(冷却外気口)を用いて機器内部の熱を外部に排出し、外部の冷たい空気を取り込むことで冷却を行っていました。冷却外気口の設計は、冷却効率に大きく影響します。
医療現場においては、ファンがあることによる特有のリスク要因が存在します。ナユタは長年の医療機器用特殊電源開発で培われた技術力と最新の電子部品を駆使し、レムリアの技術開発テーマとして「ファンを無くす」ことを掲げました。これは、ファンがあることによる医療現場のリスクを熟知していたからです。
医療機器にファンがあることによる医療現場のリスク
ファンを使用することで、感染リスク、騒音、電磁波干渉、故障リスク、消費電力増加、メンテナンスの手間といった、医療現場特有の6つのリスクが発生します。これらのリスクを考慮すると、「ファンレス」であることは、安全性、静音性、信頼性、運用コストの面で非常に大きな恩恵をもたらし、レムリアはより安全で安心して使用できる蓄電池と言えるでしょう。
1.感染リスク
- 空気の循環による汚染物質の拡散
- ファンは空気を取り込む際に、ホコリ、塵、細菌、ウイルスなどの汚染物質も一緒に吸い込み、排気と共に周囲に拡散させる可能性があります。手術室や集中治療室など、特に清潔な環境が求められる場所では、感染リスクを高める要因となります。
- フィルターのメンテナンス不足
- ファンには通常、ホコリなどの侵入を防ぐためのフィルターが取り付けられていますが、定期的な清掃や交換が行われないと、フィルターに汚染物質が蓄積し、逆に汚染源となる可能性があります。また、フィルターの破損に気づかない場合、汚染物質が機器内部に侵入し、故障の原因となるだけでなく、排気と共に周囲に拡散するリスクもあります。
2.騒音
- 患者への影響
- 特に、集中治療室など、患者が安静を必要とする場所では、ファンの音が患者のストレスになったり、睡眠を妨げたりする可能性があります。
- 医療従事者への影響
- 長時間ファンの音にさらされることで、医療従事者の集中力低下や疲労につながる可能性があります。また、コミュニケーションを阻害する要因となる可能性もあります。
3.電磁波干渉(EMC)
- 他の医療機器への影響
- ファンのモーターは電磁波を発生させます。発生した電磁波が他の医療機器に影響を与え、誤作動を引き起こす可能性があります。特に、精密な電子機器や微弱な信号を扱う機器では、電磁波干渉が深刻な問題となる可能性があります。
- 医療機器規格への適合性
- 医療機器は、電磁波干渉に関する規格(IEC 60601-1-2など)に適合している必要があります。ファンを使用する場合は、これらの規格を満たすための対策が必要となります。
4.機械的な故障リスク
- ファンの停止による冷却不足
- ファンの故障により冷却が不十分になると、機器内部の温度が上昇し、性能低下や故障の原因となる可能性があります。最悪の場合、発火につながる可能性もあります。
- 異音・振動の発生
- ファンのベアリングの劣化などにより、異音や振動が発生する場合があります。これは、患者や医療従事者に不快感を与えるだけでなく、機器の故障の前兆である可能性もあります。
5.消費電力の増加
- ランニングコストの増加
- ファンを駆動するためには電力が必要となります。ファンの消費電力は、機器全体の消費電力に影響を与え、ランニングコストの増加につながる可能性があります。
6.メンテナンスの必要性
- 清掃・点検の手間
- フィルターの清掃や交換、ファンの動作確認など、定期的なメンテナンスが必要となります。これは、医療現場の負担増加につながる可能性があります。
メンテナンスフリー
医療機器用蓄電池レムリアは、前項でご説明した「ファンレス」設計に加え、以下のサポート体制により、メンテナンスの手間とコストを大幅に軽減し、実質的なメンテナンスフリーを実現しています。
- 長期保証: 5年間(別途延長で最大8年間まで可能)
- 年1回の定期点検とレポート提出
標準的な製品保証は5年ですが、別途費用でプラス3年(合計8年間)の延長が可能です。またお客様の要望に応じで10年間保証の実績もあります。
それに加えて、年に1回、専門エンジニアが設置現場に出向き、保守メンテナンスを実施いたします。点検後には詳細なレポートを提出し、機器の状態を明確にご報告いたします。
これらの充実したサポート体制により、お客様がレムリアの保守やメンテナンスを行う必要は一切ありません。これにより、無駄な運用コストを心配することなく、安心してご使用いただけます。
グッドデザイン受賞
医療機器用蓄電池レムリアは、2023年度グッドデザインしずおかにおいて、【命を守るデザイン。医療機器用蓄電池レムリア】として栄えある大賞(静岡県知事賞)を受賞しました。
グッドデザインしずおかは、デザインを通じて地域産業の活性化と生活文化の向上に貢献することを目的に、静岡県が主催するデザイン評価制度です。数ある応募の中から、レムリアは「命を救うデザイン」として、その安全性、信頼性、そして医療現場への貢献性が高く評価され、最高賞である大賞を受賞するに至りました。
今回の受賞は、レムリアのデザイン性だけでなく、医療現場における安全性と信頼性への貢献が認められた結果であると確信しております。今後も、医療現場のニーズに応える製品開発に邁進し、より安全で安心な医療環境の実現に貢献と考えています。
レムリアが評価されたポイント
1.国内唯一の医療機器規格JIS T 0601-1適合
人工呼吸器などの生命維持管理装置を含む、あらゆる医療機器に安心して接続できる唯一の蓄電池であることが、医療現場の安全性に大きく貢献するものとして評価されました。
2.ファンレス設計による感染リスクの低減
医療現場における感染リスクを徹底的に排除するため、ファンレス設計を採用。清潔な環境維持に貢献する点が評価されました。
3.静音設計
患者様の安静を妨げない静音設計も高く評価されました。特に集中治療室など、静かな環境が求められる場所での使用に適しています。
4.長期稼働と高出力
長時間稼働と高出力を両立し、様々な医療機器への安定した電力供給を可能にしている点が評価されました。
5.可搬性
災害時など、非常時における医療活動拠点での電源確保に貢献する可搬性も評価されました。
6.デザイン性
機能性だけでなく、医療現場に調和する洗練されたデザインも評価されました。
レムリアが解決する医療現場の課題
医療現場では、停電や災害時における医療機器の電源確保は重要な課題です。従来の蓄電池では、安全性への懸念から医療機器への接続は推奨されていませんでした。また、自家発電設備はメンテナンスや燃料管理の負担、騒音などの課題がありました。レムリアは、これらの課題を解決し、医療現場における電源バックアップの新たなスタンダードを確立します。
- 【人命に関わる医療機器への確実な電力供給】 JIS T 0601-1適合により、人命に関わる医療機器にも安心して接続できます。
- 【感染リスクの低減】 ファンレス設計により、感染リスクを最小限に抑えます。
- 【患者様の安静を確保】 静音設計により、患者様の快適な療養環境を維持します。
- 【運用コストの削減】 メンテナンスフリー設計により、運用コストを削減できます。
- 【災害時における医療活動の継続】 可搬性により、災害時でも医療活動を継続できます。
レムリアの魅力はナユタの魅力
医療機器用蓄電池レムリアは、創業以来30年以上にわたり医療機器用特殊電源開発に携わってきた株式会社ナユタが、設計・開発・生産の全てを自社で手がける純国産製品(MADE IN 静岡)です。
そのため、万が一不具合等が発生した場合でも、問題分析から原因究明、そして解決に至るまで、全てを自社内で一貫して対応することが可能です。これにより、迅速かつ的確なサポート体制をご提供することができ、お客様に安心してレムリアをご導入いただけます。まさに、レムリアの信頼性はナユタの技術力そのものであり、安心してご使用いただける大きな理由です。
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